(韓国 ハンギョレ紙 2007年12月17日付)
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/257583.html
政治人の責任と、国民の選択(韓国大統領選挙)
(今日<19日>、韓国国民は、経済犯罪の確かな証拠を突きつけられた、ハンナラ党大統領候補、 イ・ミョンパク(李明博)を選択するのか? 訳者)
こんな大統領選挙が、他にもあるだろうか? 当選が有力な候補が、深刻な嘘を言った事実が物証で確認された。大統領の資格に重大な欠陥なのに、選挙は1日後に近ずいた。彼を捜査対象に明示した特別検事法が、投票を二日間目前にして、国会を通過した。不可避な決定だ。その結果がどちらに出ても、政治的・法的混乱は避ける道がないようだ。道理に沿った再選挙を執り行わねばならぬかもしれない。明日の投票が役に立たないわけだ。錯綜して心配だ。
今のこんな状況は、病勢が悪い側にひろがることになる。何よりも、大統領職が大きく揺るがされることに為る。特検法通りであれば、特検は来年1月捜査を始めて、2月25日、新大統領の就任直前に、起訴の当否を決めることと為る。その間、世論調査の推移のまま、イ・ミョンパク(李明博)ハンナラ党候補が大統領に当選すると言うなら、当選者の身分で調査を受け、起訴されることも出来る。大統領就任後にも、裁判が進行されることが出来るのかは、問いただして見なければならないが、疑惑が一部でも確認されれば、政治的責任を取って当選者の辞退や、大統領の下野要求がでることとなる。そうでなくても、イ(李)候補は、BBKと関連された問題があれば、大統領職をかけて責任を負うといったことがある。即ち、事実上の弾劾状況になる。これほどになれば、大統領職の安定的運用は、期待するのは難しい。
特検捜査で、イ(李)候補に責任を取らすことが出来ないという方向に結論が出る場合でも激動が予想される。動画公開で、すでに検察捜査に対する不信があれば深かまる場面であって、これに対する政治的不服事態が継続される。‘嘘つき候補’という汚名は、総選挙を経由しながら、さらに増幅されるのだ。政党間の激突と対峙もはげしくなるのは確かだ。その反対の場合には、すでにイ(李)候補側から、‘泯乱’(社会秩序の混乱)が広がるものという脅迫を仕掛けたところである。どの場合でも、国家的混乱が予想される。
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イ候補が大統領になるとしても、リーダーシップを大きく傷つけた状態で、就任する事となるという点は、今後、さらに大きな懸念の原因となる。彼が政局打開のために正面突破を指導すれば、圧迫と反撥の悪循環に、状況が抑えることが出来なくて悪化するはずだ。また、政治的正当性の不足を補充する為に、景気浮揚などの、その場の可視的成果に汲々とした政策を無理に広げれば、経済的バブルや、両極化の拡大など、長期的に大きい負担になる。
全ゆる、国の将来が懸念される諸理由だ。そうであると、この状態で疑惑と嘘に蓋をすることは出来ない。そんなにしようとしても、だめだ。いまとしては、他に道はない。投票で、国民が賢明な選択をするのが最善だ。政治人にも正しい行動を要求するときだ。政治指導者というのであれば、目前の利得より国家的混乱を避ける道を、あらかじめ思い煩わなければならない。この為に必要であれば、自ら責任を負って犠牲する姿勢を見せる事が真の勇気というものだ。
検察は、恥を知らねばならぬ
反面、事態がここまで至ったことに対しては、検察にも責任を問う以外にない。検察は、この候補自ら、“BBKを創立した”と言った動画が公開された後にも、必死に、この候補(李明博)とBBKは、無関係だと主張した。せっかく助太刀するのにそうで無いと言うなら、ありえない態度だ。検察のこんな主張は、もはや国民から説得力を認められることはできないでいる。今の混乱は、検察がまともに捜査をしたなら、最小化することも出来たのだ。検察は、自らを恥じなければならない。(訳 柴野貞夫)
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